回想シーンでご飯3杯いける

スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.3
「ベイビー・ドライバー」への道という事で、エドガー・ライト監督作品掘り起こし。今回は2010年の「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」!

いやー、主人公の名前がピルグリム(巡礼者という意味)というだけでも絶妙に胡散臭いのに、更に「VS. 邪悪な元カレ軍団」っていう、もう最高にB級な邦題。結論から言うと、この邦題を見て興味を持った人は楽しめるし、駄目だと感じた人は楽しめない。そういう映画だと思う。

主人公の前に何故か立ちはだかる「邪悪な元カレ軍団」との、文字通り"対決"を格闘アクションゲーム風に描いたお馬鹿映画で、設定もストーリーもかなり適当。でもハマれば楽しい。

エドガー・ライトってデビュー作「ショーン・オブ・ザ・デッド」の頃から一貫して音と映像のシンクロを実践していて、本作では基本的に主人公のバンドが奏でる曲をバックにアクションが繰り広げられ、楽器の音や擬声語を文字としてポップアップする等、ゲーム画面風に描写する事でシンクロ率を高めている。お馬鹿なだけではなく、こういう実験を取り入れているのは流石。

そして、ゲーム画面のテイストが、Wiiやプレステではなく、ジェネシス(海外版メガドライブ)辺りで出ていた'80~'90年代の洋ゲー臭プンプンなのが、センス抜群で良い。