かい

ある過去の行方のかいのネタバレレビュー・内容・結末

ある過去の行方(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

『ある過去の行方』

前回レビューした『彼女が消えた浜辺』と同様にこちらもファルハディ監督作。今回はイランを離れて、パリが舞台。
フランス人の元妻と正式な離婚調停を行うためにパリにやって来たイラン人が主人公。主人公は元妻宅に到着するが、そこは家族構成が複雑になっていた。妻の家には、主人公の長女と次女に加え、妻の恋人の連れ子も同居していた。そして、その恋人の別れた妻は植物状態になっている。この設定だけで、家族に亀裂が生じることが容易に想像できる。
離婚で1番翻弄されるのは子供だと思う。必然的に片親と暮らすことになる為、寂しい幼少期を過ごすケースが多い。そして、親が再婚して新たな家族が形成されると変化に困惑することだろう。本作は、長女がそれに該当しており、彼女が物語の鍵を握っている。
離婚率は上昇傾向で、映画のような家族は増えている。そんな家庭の基盤の脆さを浮き彫りにした監督の手腕に今後も期待。
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