かい

彼女が消えた浜辺のかいのネタバレレビュー・内容・結末

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

『彼女が消えた浜辺』

イランの巨匠アルガル・ファルハディ監督の出世作。『別離』以来、5年ぶりとなるファルハディ作品を鑑賞であった。
大学時代の仲良しグループが、お互いの家族と1人の知人を連れて避暑地へやって来る。前半は、避暑地で川遊びやバレーをして過ごしていて、やや眠気を催す内容だった。ただ、それはイランに対するステレオタイプとは異なっていたので、新鮮な感覚だった。後半は青天の霹靂ともいうべき展開で、その知人女性が突如消えてしまう。そして、その女性の行方を探すうちにある事実を知ってしまい、旅行が刺々しい雰囲気となる。
監督の力量は見事だった。窮地に陥ると現れる人間の本性をリアルに切り取り出していた。カードゲームのように、各々が持っているカードを全てひけらかさず、与える情報量を自分に都合の良いように調節していく。エゴ丸出しの人間模様を描いた秀作である。
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