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ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区のsonozyのレビュー・感想・評価

3.4
2001年にユネスコ世界文化遺産に登録された、ポルトガル王国の発祥地・ギマランイス歴史地区。
各種の文化行事アピールによる都市のPRと観光誘致の一貫で製作された四人の監督によるオムニバス。

第1話:『バーテンダー』/アキ・カウリスマキ監督。
客の来ない小さなレストランを1人で営む孤独な男の1日。どんなテーマでもカウリスマキ流に仕立てるのはさすが。好きです。^^

第2話:『スウィート・エクソシスト』/ペドロ・コスタ監督。
“いかにしてギマランイスで撮影しないか"という発想で作られたという(ひねくれてる。笑;)不可解な作品。
『コロッサル・ユース』にも登場したヴェントゥーラが精神病院のエレベーター内で1974年の“カーネーション革命"に参加した兵士や亡霊と語り合う会話劇。

第3話:『割れたガラス』/ビクトル・エリセ監督。
欧州第2の紡績工場へ発展しながらも、2002年に閉鎖したリオ・ヴィゼラ紡績繊維工場。
当時の従業員が食堂に集まっている写真を背景に、かつて12歳前後から働いた人々らが思いを語る。
「"喜び"は分かるけど、"幸せ"はいまだに分かりません」という77歳の女性を始め、最後のアコーディオン奏者の音色が沁みます。

第4話:『征服者、征服さる』/マノエル・ド・オリヴェイラ監督。(現役最高齢の104歳!)
オリヴェイラの孫がツアコン役でギマランイスに訪れた多数の観光客を案内する。

ギマランイス歴史地区のPRという意味では『割れたガラス』と『バーテンダー』が良かったです。
『征服者、征服さる』は一番観光案内してますが、映画としてはどうなんでしょうか。笑
『スウィート・エクソシスト』は不可解・難解すぎるのでこの企画の監督として選ぶべきではなかったような。。笑;
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