ぐるぐるシュルツ

29歳からの恋とセックスのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

29歳からの恋とセックス(2012年製作の映画)
3.8
かかってこい、孤独。

〜〜〜

グレタ・ガーウィグ×等身大の私的物語。
やっぱりこういった役をやらせたら、キャラクターがあまりにも生き生きして夢中で見れてしまうのが彼女の魅力。

学生時代からの唯一の彼氏に婚約破談され、
二人両方にとっての親友だった男とくっつくものの、
なんとなく他の男と寝たせいで振られ、
元彼には新しい恋人。
そして更に二転三転。
なんという展開(笑)

なんだこの女イラつく!
と確かにギリギリ共感できないラインかもしれないけれど、
自分はあんまりそう思わない。
周りには飄々と見えても、
長い親友と離れていったり、
長い恋人と別れたら、
混乱するもの。
それも何ヶ月も。その間、
今までは考えつかないことを成し遂げたり、
今まででは考えつかないことをやらかしたり。
本当に文字通りの混乱。
それで何ヶ月か経ってある日ふっと自分を取り戻した感覚になったりする。

酔い潰れて夜中路上に座り込むシーンの表情は
涙が溢れたらもう世界のおしまいのようなギリギリの感情が伝わる。

彼女の取り戻し方はなかなか派手だけど、
沈黙や孤独と向き合って、
少しずつ集中していく。
声が重なり合う音楽も心地よい。

〜〜〜

原題は『LOLA VERSUS』
ポスターにはこう書いてある。
ローラ vs 性、恋愛、自分自身、世界。
圧倒的に不利。全部が敵に思える。
29歳でも厳しい戦い。
それでも、かかってこい、っていう姿勢。