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ロード・オブ・セイラムの消費者のネタバレレビュー・内容・結末

ロード・オブ・セイラム(2012年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

舞台はかつて魔女狩りが行われた事で知られるアメリカの街、セイラム
そこには魔女、マーガレット・モーガンとその6人の手下がジョン・ホーソーンという男の手で魔女裁判にかけられ処刑された歴史があった
そして時代は飛んで現代、ラジオDJの女性、ハイジ・ラロックはハーマン・サルヴァドルとハーマン・ジャクソンという2人の仲間と共にビッグHチームというグループで人気を博し活躍しており私生活でもペットの犬、トロイと共に幸せに生活していた
そんな中、ハイジ達がいつも通り番組の放送を終えて帰ろうとすると彼女宛てに木箱に収められたレコードが届いたと受付の女性に渡される
そのレコードはThe LordもしくはThe Lords of Salemというバンドの作品
ハイジは恋人でメンバーのサルヴァドルと共に帰宅すると早速そのレコードを聴くのだがそこから流れてきたのはおどろおどろしく劣悪な音質の奇妙な音楽
ハイジはその音楽を聴いてからというもの、悪夢に悩まされていく
しかしそこまで深刻に捉えてはいなかった為、そのレコードを番組でもかける事に
再び苦痛に襲われるハイジ
その回の放送ではフランシス・マサイアスという魔女裁判に関する本の著者である男性が宣伝でゲスト出演しており彼はその音楽とバンド名に覚えがあり調査を開始
ハイジもまた住んでいるアパートの家主、レイシーに誘われ、彼女の妹である導士のサニー、占い師のメーガンの2人とワインを飲んでいた際にメーガンに占われ邪悪な宿命との繋がりを指摘される
悪夢だけでなく幻覚や幻聴にも襲われていくハイジはその苦痛でどんどん憔悴していく
やがてフランシスの調査によってハイジを蝕む物の正体が明らかになり…
というあらすじのサイケデリックなオカルトホラー

メタルバンド、White Zombieのフロントマンやソロ歌手としても著名で数々のホラー作品も監督してきたロブ・ゾンビの監督作品
物語に意外性は無いものの魔女裁判や呪術、悪魔崇拝を題材にした作品に望む要素が全て詰まっていて良かった

映像世界も特に終盤に流れるサイケデリックな映像が魅力的でレイシーと妹2人の3姉妹に呪術をかけられた場面ではハイジにコープスペイントが施されていたりロブ・ゾンビらしいメタル要素の強いアプローチも楽しい
ラジオ番組にゲスト出演したブラックメタルミュージシャンの名前がカウントというBurzumとしての活動で知られるVarg Vikernesの芸名を借用した物だったりMVに映る彼のバンドの姿がGorgorothを思わせる物だったり…

真相としてはThe Lords of Salemの音楽は魔女、マーガレット・モーガンの一団が作り出した楽曲が元となっていてバンドの正体は彼女の手下の意志を継ぐ当時セイラムに住んでいた女性達の子孫であり、その子孫とはレイシー、サニー、メーガンの3姉妹だった
そしてハイジの本名はアーデルハイド・エリザベス・ホーソーン
つまり魔女達を処刑したジョン・ホーソーンの子孫であり彼女が3姉妹に呪術をかけられサタンの器とされたのはその為だった
というオチ
呪われた土地の因習を描く作品としてはありがちな物語だが映像が独特なので問題なく楽しめた

残念な点としてはサタンが遣わせたであろう魔物達の姿がほぼシルエットのみだったりがっつり映る物も作品全体の質に対して安っぽい物だった所だろうか
特にビッグフットの様な魔物の姿は思わず笑ってしまった
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