OASIS

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!のOASISのレビュー・感想・評価

4.0
エドガー・ライト×サイモン・ペッグ×ニック・フロストのトリオ最新作。
友達5人で12件のパブを梯子酒するという「ゴールデン・マイル」を成功させる事ができなかった仲間たちが大人になって再び集まり挑戦しようとする話。

ただただボンクラ男達がビールを飲みまくる話だとしか聞いていなかったので、そんな題材で110分も持つのかと思っていたら後半からはガラリと雰囲気が変わってなんだか壮大な話になっていく。
会話の量が多い為「ショーン〜」や「ホット・ファズ」のような爆発的な笑いはそれほど盛り込まれてはいなかったが、その代わりアクション面のキレ味が良くて十分満足。
ニック・フロストがとにかくよく動くし、敵の正体や飛び散る血の色が奇想天外なだけに、グロい部分も笑えるようになっていて楽しかったです。
(造形はジョン・カーペンターの光る眼オマージュか?)

マーティン・フリーマンやビル・ナイに加えてピアース・ブロスナンも登場するし、そこかしこにある小ネタが回収されて行く様子もまた流石エドガー・ライトという安定の面白さがありました。

そして、この映画が今までと違う所はラスト。
サイモン・ペッグとニック・フロストは形は違えど最高のバディとして仲良く暮らす展開が多かったので、かなり後味が悪くホップの効いた苦味や寂しさが残ります。
特にサイモン・ペッグ演じるゲイリーは過去のどの作品よりも手が付けられないクレイジーっぷりで、本当に子供がそのまま大人になってしまったかのようなキャラクターでした。
そんな彼にとっては後味の悪いオチも最も望んだ結果なんですが。
いつまでも子供のままで水だけを飲んで過ごしたいのは分かりますが、せっかく大人になったんだからビールを飲もうぜと言いたくなってしまいました。
大人だからこそ人生の苦味を感じれるんだから・・・。

かなり期待していたのでその割りにはノリきれなかったですが、前情報を遮断していたので後半からはおおいに楽しみました。
期待が大きい作品ほど、入念に調べたりしない方が楽しめるんだと今回で学べたので、これからはそうしたいと思いました。

@シネ・リーブル梅田
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