ハター

LIFE!のハターのレビュー・感想・評価

LIFE!(2013年製作の映画)
4.2
宣伝ポスターから感じた通り、きれいな画と「!」を楽しめる作品でした。大手雑誌の編集部に属する、妄想癖を持つ冴えない主人公。たった1枚のネガを手に入れる為、編集者と世界を飛び回るカメラマンとのイタチごっこが始まる。舞台はグリーンランド、アイスランドといった、一般の人間にとっては縁遠い地。共感しえる主題を呈示した上で、予想の上を行く伏線の張り方がおもしろかった。フォトグラフィックがメインテーマとなっている為か、作中の色調が強いのも特徴的。壮大な風景をバックにしながら、コミカルかつサプライズな演出を展開する様子は、目に楽しく、フォトアートを思わせる。例えるなら、エンターテイメント×ナショナルジオグラフィックとでも言えましょうか。
音楽もモンスターズ・アンド・メンやホセ・ゴンザレスなど、北欧ミュージシャンの楽曲が役割を担う。Step Outはテーマとして相応しい魅力的な曲。
映画だからこそなし得る技、映像、音など、表現技法を巧みに操り、様々な演出において主題のメッセージ性が前に出過ぎないよう中和させている気がした。独創性に溢れた秀作。技アリ。
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