ハター

渇き。のハターのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
3.5
これはすごい映画です。何と言っても面白いのにつまらない。予想していた感じと違った事もありますが、正直何ともはや、レビューが書きづらいのでとりあえず思った事だけ下に。

私目線での印象としては役所広司の完全なる独り舞台。常時バーサク状態の彼の一挙一動に根刮ぎ持っていかれた感があります。今をときめく役者が多数出演していますが、起用の仕方を見ると本作の裏側に潜む何かをどうしても考えてしまう。暴力描写が頻出するので、心理的に不快を感じながら目にするグロテスクな演出は、スプラッタ映画などとはまた異なるモノを抱きます。しかし演出だけで言うと、さほどエグくはありません。グロさだけで言うなら『ゾンビランド』の方がグロいです。
別視点で言うと、啓発の意味合いを強く感じる作りだと思います。カバー写真のとっつき易さとキャンペーンの打ち出し方からも伺える事ですが。まあ、未成年に観てもらってナンボかなと。

この映画が話題となって反響を呼ぶような事になれば、今後の日本映画のしるべとなる可能性を孕んでいる気もしています。お薦めしないけど観る価値はある映画。内容ないけど中身あり。(褒めてます)
ハター

ハター