シェパード大槻

ファンシイダンスのシェパード大槻のレビュー・感想・評価

ファンシイダンス(1989年製作の映画)
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将来僧になって結婚してほしいってあれあながち狂言でもなかったんだ。動作や美学を、感動、教訓、分析などというものに従属させたくないために、この物語はどこにも到達しないのか。作法と真理はもちろん再帰的なので、「俺のダンディズムが許さないな」という作法重視の態度でもって結果真理に近づくことは邪道でもないはず。若い時は全ての判然としなさに困っちゃうが、続けていくことが威厳を育てる。禅、です。威厳が出れば自他ともに演劇の中に入ってゆける。修行の場所は嫌な学校や軍隊みたいな厳しさだけど、組織のくだらなさの中でも個人は自由であった!少年みたいな棒読みはキャラクターをぼやけさせることなく、セリフに独白の雰囲気を追加している。僧は町が似合う!永平寺の雲水かっこいい。