子持ちのカイロレン

フローズン・グラウンドの子持ちのカイロレンのレビュー・感想・評価

フローズン・グラウンド(2013年製作の映画)
3.5
 殺人鬼界隈(?)ではわりと有名なロバート・ハンセンの逮捕までを描いた実録サスペンス映画。普段はパン屋を営む傍ら、売春婦を強姦・監禁し、野に放ってからライフルで撃ち殺すというマンハントスタイルで少なくとも17人以上を殺害。そんな80年代のアラスカ州を恐怖に陥れた連続殺人鬼をジョン・キューザックが演じ、警察官のニコラス・ケイジが追いかける。
 劇中の捜査場面では本物の被害女性たちの写真が使われ、製作者たちのこの映画に込める思いが伝わってくる。いつもより抑えた芝居のニコラス・ケイジと、この時期「ペーパー・ボーイ」などで気持ち悪い役に舵を切っていてたジョン・キューザックの、「コンエアー」以来の共演も見もの。
 ただ映画としては、寒々しい雪景色と殺人事件の黄金パターンの傑作がたくさんあるので正直少し見劣りする。せっかくのロケーションなのに編集が忙しなく、所々テレビの再現ドラマになってしまうのが残念。きっとこの監督、もっと娯楽映画向きの人なんだろう。
 なぜ出てるのか分からない50セントや、「ブレイキング・バッド」のハンク役でお馴染みディーン・ノリスがニコラスの相棒で出てくるのはちょっと得した気分になる。