村有徳

ジャッジ!の村有徳のレビュー・感想・評価

ジャッジ!(2013年製作の映画)
4.5
ステレオタイプ的な外国人のリアクションとかがちょっとリアリティに欠けるかなって思うけど、それを差し引いても、いや差し引かなくてもそれを含めてこの映画は個人的に最高のエンターテイメント映画だと思う。伏線も全部綺麗に回収されていて、スカッとするようなカタルシスもある。声を出して笑ってしまう場面が何度もあったし、なんなら冒頭ですでに吹き出してしまった。レストランで使う英会話が、審査会で全部綺麗にハマるのがすげえと思った。そこも含めて、丁寧に練られた脚本だと思う。

どんな困難な状況でも、アイデア次第でなんとか乗り越えていけるし、最後に人の心を動かすのは結局真っ直ぐな、バカ正直な純粋な気持ち。そりゃ、打算とか計算とかも大事だけど、それはバカ正直には結局勝てない。バカ正直は愛されるから。バカ正直には他人を巻き込んでいくパワーがあるから。だから打算や計算は、バカ正直をサポートするくらいの気持ちでいたほうがいい。この作品では、W大田がその役割分担をしっかりできていてよかったんじゃないかな、と。

あと、言語の上手さとコミュニケーション能力は必ずしも同じってわけじゃない。これも結局大事なのは伝えたいという純粋な気持ち。先に伝えたいという気持ちがあるべきで、その手段として英語がある。下手な英語でも、伝えたいという気持ちはちゃんと相手が汲み取ってくれるはずだし、なんやかんやでコミュニケーションは成立する。そういう点で、言語を学ぶ、言語でコミュニケーションをする上で大切なこともこの映画は伝えていたのかもしれない。

ちなみに、電○の面接では、学歴とかボランティア活動とか広告に関する知識とかはあんまり評価されなくて、何か誰にも真似できないような一芸を持ってる方が評価されるらしい。なんで、ペン回しがめちゃくちゃ上手いっていうのも、広告の世界では大事なのかもしれません。

何度観ても笑えるし、大切なメッセージが込められているし、個人的には一番好きな映画なんですよね〜。
村有徳

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