やまひろ

インターステラーのやまひろのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.3
『愛は時間も距離も越えるのよ』

環境汚染の影響で滅びつつある地球、移住可能な他の惑星を求めて恒星間航行(インターステラー・ドライブ)に挑む人々の姿と、その家族たちの”時空を超越した揺ぎ無い絆”を描く愛と感動の物語

劇場では観れず、BDで初めて観た時、あまりの壮大さと難解さに私は考えるのを止めました。それから数年ぶりに再度観てみたら、ある程度理解できるようになった、ような気がする。

前作「インセプション」は人の夢の中へ入っていくストーリー、内へ内へ・・・精神的な内面へ向かって展開されているのに対して、今作はどこまでも外へ外へ・・・銀河すらも超えて、ブラックホールすら超えて、時間も超えて・・・とにかく外へ外へ
クリストファー・ノーラン監督のぶっ飛んだ構想とストーリーに毎回驚かせられる。

「インターステラー」は全編通してリアルで静かに展開するが、169分の長編にも関わらず一切飽きずに観ていられる。重厚な音楽と幻想的な映像がさらに後押ししてくれる。

SF映画と言えば、超文明的に宇宙船がバンバン飛行し、ワープしたりするエンタメが多いけど、今作では相対性理論を始め、物理学や宇宙工学など科学的に正しい描写を追求しているらしい。難しい用語がいっぱい出てくるから、つまらないと感じる人もいるかも知れない(1回目の私w)

3次元世界から4次元世界、そして5次元世界・・・もう何がなんだかわからない。しかもそれを映像化してしまうんだものw
ガルガンチュアに飛び込んだクーパーが辿り着いた上下左右に大量の書物が並んだ巨大な図書館みたいな場所、正直「なんじゃこりゃ」と思った。

しかも、本棚の向こうには若かりしマーフが…なんだこれはー!?この辺から理解が追いつかなくなってくる。

実際には観測されていない物理学上の仮説を映像化したものが、クーパーが見ている奇妙な空間らしいが、そこから時間を超え、データをマーフに伝えていく(時計にモールス信号)そして、マーフは重力の謎を解き明かし、人類を救う。

終始、ガチガチのリアルSF映画だったのに、最後に人類を救ったのは「愛の力」だった。このシーンは斜め上すぎてぶっ飛んだ。

アメリアが言い放った『愛は時間も距離も越えるのよ』
この意味が大きくのしかかる。

ラスト、アメリアが”エドマンドの星”で佇んでいるカットにこそ本当の感動がある。
「科学よりも”愛”を信じたアメリアの方が正しかった」

そんなアメリアを助ける為に1人旅立つクーパー・・・続編があるような終わり方だが、それは絶対ない。こういう終わらせ方はノーラン監督の定番だもの。答えを全て示さない、観る人それぞれが想像し、考えるような。。。

とにかく壮大でいて、ぶっ飛んだ映画。
1回観ただけじゃダメだ。最低でも3回は観ないと、理解すら出来ずに終わってしまう。

そんな映画に出会えたことに感謝する。
やまひろ

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