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インターステラーのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.8
近未来の地球。度々発生する大規模の砂嵐に作物をやられ人類に滅亡の危機が迫る。元エンジニアという肩書を持つ主人公のクーパーは、エンジニア職が必要とされない時代であることを理解しつつも、義理の父、娘、息子と住みとうもろこし農場を経営している。ある日、家の中で勝手に本が落ちる不可思議な現象が何者かのメッセージだと気づく。早速二進法に割り当て緯度経度を探り出し現場に向かうと、そこでは人類を別の惑星に移住させるNASAの極秘プロジェクト「ラザロ計画」が進行していた・・・的な物語。

『TENET』でおなじみクリストファー・ノーラン監督の2014年の映画。ほぼ3時間という長編だが、不思議とそれを感じさせないくらいの濃密な物語となっている。冒頭から自分たちが育てた大農場に広がるトウモロコシを、空舞うドローン機を追うために躊躇なく車でなぎ倒すシーンから、ジリ貧の生活に乾いた元エンジニアの葛藤が読み取れる。そんな元凄腕エンジニアに託された宇宙脱出計画。広大なる宇宙で限られた燃料や時間の中で効率よく動くクーパーが、様々な出来事を体験し、次第にエモーショナルになっていく過程は心を揺すぶられる。

宇宙に飛び立った後、物理学の観点から小難しい専門用語が度々登場するのだが、豆腐の形したAIロボットTARSの存在がそれらを緩和するクッションとなっている。海軍仕込みのユニークな会話で度重なるピンチを救うも、そんなAIロボットにも涙なしには語れない展開がまっているところも見逃せない。

とにかく”スプラッター”、”ホラー”以外全ての要素が詰まってる。それでも時計の歯車のように正確に相互作用しているところが流石映画界の物理学者クリストファー・ノーランである。
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