とうるうまん

インターステラーのとうるうまんのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
5.0
宇宙物、いやSFで最高傑作だ


砂嵐が常に発生し、経済活動はおろか農業までダメージを追い徐々に滅び行くある地球
主人公と娘は自宅の本棚で暗号を発見し、その座標へむかうと解体されたはずのNASAとその基地を見つける
主人公はかつて飛行士だった腕を買われ、代替惑星をみつけるべく仲間とともに宇宙へ旅立つ

長い映画だが、まったく飽きずに見られる
全体感から匂う焦燥感に、こちらもドキドキせざるをえない
相対性理論はご存じだろうか
高速で動けば動くほど、そうでないものとの時間の流れは異なる
つまり光の早さで10年動き続け地球に帰ってみると浦島太郎のような状態になる
かつてカーナビの位置がズレるということがあったが、衛星軌道上を高速で走る人工衛星との誤差でそうなっていたこれこそがその例であり、新幹線をよく使う人ならば誤差範囲でこの現象が起きている

代替となる星の候補はいくつかあり、勿論1つめでめでたしでは映画が成り立たないので探索は失敗するのだが、この星の速度と地球の速度は違う
主人公にとっては数十分から数時間の出来事が、待機していた宇宙船に帰ってみれば地球換算で20年以上経過しているのだ
地球の家族からのメッセージを見てみると、小学生ほどの娘は立派な研究者に、父は死に、益々地球環境は悪化していた
下手をすれば家族に会えなくなるどころか帰る場所すらなくなってしまう恐怖
この行間1つとっても伝わる焦燥感にこちらも目を話すことができない

クリストファー・ノーランはCG嫌いで有名で説得力のある画面を作ることに定評があるが、それが遺憾なく発揮されている
BGMもほぼ存在せず、重厚かつ見ごたえのあるストーリーがラストまで続く
小説を読み終えたかのような満足感を持って締めることができるだろう

映画好きとして、必ず見るべき一本だ