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インターステラーのmanamiのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
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「ロマンを感じるもの」私の中では「幕末」そして「宇宙」がツートップです。(って話を以前、友人にしたら「宇宙はロマンだけど、幕末は浪漫じゃない?」って言われたけど、それはさておき。)この作品で描かれる「宇宙」にはロマンと、そして現実と空想、希望と絶望が覆い被さり、内包されてもいる。
設定や世界観、伏線に回収、構成、何から何までさすが、お見事です。映像にいたっては奇跡的な素晴らしさ。特に「高次元」の表現、あれはいったい何なのか、あれを考えられる想像力と表現できる創造力が、同時に存在したことに感謝したい。
三次元、四次元、五次元…知識として頭にはあっても理解したとは言い難かったことを、こんなにも美しく見せてもらえるとは!学校の授業でも見せた方がいいよ、あの映像は。
登場人物も分かりやすいけど「お決まりのパターン」にならず、一人の人間が持つ多面性や曖昧さや変容、歩み寄れない弱さ、貫き通す強さなどなど、いろいろなものを映し出す。演じる役者さん達も皆素晴らしい。
さらにはストーリーも、SFというジャンルには収まりきらない。正義と正論は必ずしも一致しないという事実。意見を戦わせる場面が多いから、自ずと「私だったら…」と考えさせられる。
とまあ、なんだか小難しいことも書きましたが、実は終盤、私の頭に浮かんだのは懐かしのおもちゃ「チクタクバンバン」。時間に追われ急かされ、行き止まりかと思ったのに突如としてそうではなくなり、これで磐石という一手を放っても次のターンにはまた窮地に陥る。そんなクリストファーノーラン的おもちゃチクタクバンバン、彼もご存知かしら??

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