物語よりただ美しくて比類のない映像と詩のような会話や独白を感じる作品でした。
単に自然の綺麗な映像というわけではなく、かなりの手が込んでいて相当に不自然です。
それが全て調和しているからこそ圧倒されるものがあって、人々の意識に届くのかと思いました。
これはタルコフスキー監督の郷愁であり、絶望でもあり、明確な思いは受け取れます。
度重なる水の描写と、きちんと演技ができる犬。
静かなのに最後まで存在感のある犬。
人間とは違い、裏切ることも愚かなこともしない。
ラストシーンは息をのむ美しさ。
心が澄んでいくような、はたまた霞んでいくような、言葉にならない情景。