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クルードさんちのはじめての冒険のLCのレビュー・感想・評価

4.0
予想外に楽しめた。

増える色数と、世界の広がりと、光へ、というメッセージに伴う行動の変化。それらが視覚的にかなりわかりやすい。
父親が寝る前に家族に聞かせる「お話」の結末が常に「そして、死にました」なのも良い。これが物語を見ている私にも作用する。

「家族を守る為に」今まで死なずにいられた実績を繰り返すことに重きを置いていたのは確かなのだろうけれど、新しいよくわからん者が家族の安全を考えているのかという、やはり責任感の部分が頑なな態度の大部分を占めていたのだろう。
それが、「家族を守る為に」新しい者の知恵を使うことに意識が向く場面で、リーダーとしての格がぐんと上がる。そして物語が進むにつれ、更に上がる。これがひとつ、見ていてとても気持ちが良い。

この「気持ちの良さ」が幾つもある。
闇に追いやられる光を追いかけていたところから、闇の中に炎を見つけて追いかけた先に出会いがある、とか。
炎との出会いが、様々なアイデアと道具との出会いに発展していく、とか。
そうやって彼らの世界が広がっていく様が、彼らの内面の変化と合わさって楽しい。

壁に絵を描く場面がとても好き。
内にとどめておくには大きすぎる思いの発露として優しくて。

本作続きがあるらしいな、とても嬉しい。楽しく見ます。
赤子も息子も成長した姿が描かれるのかなあとわくわくするけど、1番期待しちゃうのは「まだくたばってないよ!」という元気な台詞である。
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