J四郎

進撃の巨人 ATTACK ON TITANのJ四郎のレビュー・感想・評価

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2014年製作の映画)
3.0
言わずと知れた大ヒット漫画の実写版。
これはその前編で監督は平成ガメラシリーズ等の樋口真嗣です。
ここ最近、あまりの評判の悪さに鑑賞を見送ってきた映画を観ておりまして、コレも公開当時から非常に悪評高いモノのひとつです。

実際、前編のみ観ての感想はそこまで酷くは無いんじゃないかな?ってところ。
確かにとても良い出来とは言えませんが、漫画実写作品としてはまだまだマシなほうかと。ただ、僕は進撃の巨人はテレビアニメで追いかけてる程度で原作漫画まで読んでるようなガチなファンからしたら激怒しても仕方ないですね。

ストーリーの大筋は省略しまくってるとはいえほぼ原作をなぞってます。エレンなど登場人物もそれなりにイメージに合う配役がされている。ただやっぱし日本人が演じているんで、アレでエレンやアルミンと言われても違和感がある。これなら普通に日本人っぽいオリジナルキャラにしてしまった方が潔かったかもしれない。

人気キャラのリヴァイが居ないのも疑問。このポジションにシキシマとかぬかすパンみたいな名前のオッサンがいるんですが、ただのイヤミなナルシスト。今回は大した活躍もしないので長谷川博己の無駄遣いです。

特撮やアクションに関しては良い部分と悪い部分があった。
しょっぱなの巨人に侵略されて群衆が逃げ惑うシーンは迫力があり、ここはかなり良かった。容赦ないスプラッター表現も緊迫感を増しております。

立体機動を使ったアクションはイマイチ。アニメのようなダイナミックな動きをしてくれません。まだエレンとジャンが喧嘩をしているシーンのほうがアクションしてるのはどうかと。なんかシーンありきで撮ってるようで説得力がないものが多かった。

そして肝心の巨人たちは迫力不足かな~?確かにデカいんだけど、巨大感はあまり無かった。CGで描かれる超大型巨人もデザインは良いんだけど何か安っぽかった。この年のCG技術ならもうちょい何とかなったかもしれんのに。エレン巨人体のバトルはまだ見れましたが。

それより何よりこの映画が一番ダメなのは脚本がワルすぎるってところです。と調べるとガッチャマンと同じ人だったとは。(共同で町山氏の名前があるけど)原作ではあんなに魅力的だった各キャラを全くといっていいほど活かせてません。命をかけた戦いの最中にイチャつくあたり、この手の作品のダメなところが凝縮されております。そら死にますよ。

と色々とダメなところを分析しましたが、原作再現度を厳しく考えなければまだ楽しめる作品で叩かれ過ぎているとは思う。人気ある作品ほど映像化するのは本当に難しいもんですね。
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