ほぼ全編早まわしによってブレまくるカメラと超絶カッティング。地下鉄の轟音に、めまぐるしい倍速と等速のジェットコースター的緩急。「陶酔的」なんてなまやさしいチャチなもんじゃあ断じてねえ。最高にサイケデリックでグルーヴィー。幕あいに腹ごしらえしたらマジで酔った。日記映画というスタイルを生みだしたとかアートシーンのスーパースターが映っているとかNYの四季折々の詩情とかすべてがどうもでもよくなってくる。ギンズバーグもウォーホルもレノンもほかのあらゆる被写体も、ひとしく光の軌跡と事物の残像が生みだす運動の素材でしかない。その恬淡さに痺れた。