ハター

パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間のハターのレビュー・感想・評価

4.0
意外や意外、と言っちゃあ失礼ですがあっという間の93分。この時代になって、このテーマで映画を撮ったその意味がよーくわかりました。
プロデューサーのトム・ハンクスと、これが初監督作となる元ジャーナリストのピーター・ランデズマン。この異色なタッグが繰り出す本作はケネディ暗殺の裏側を忠実に表したノンフィクション作品。長年の取材と事件に関わった人物の協力によって新たに浮かんできた真実を、ドキュメンタリーのような手法を交えながら表現しています。テンポの良い展開と演出力、型にはまらない独特なタッチで描くリアリティが糸を張ったような緊張感を生む。多くの要素が相まってなかなかに見応えたっぷりでした。特にケネディ暗殺シーンは当時の事件映像を交えながらハードなカメラワークを効かせ、本物さながらの緊迫した臨場感を味わえます。

また俳優陣が見ものです。ザック・エフロンはハイスクールミュージカル時のアイドル的イメージを覆す気迫のこもった演技が新鮮ですし、ビリー・ボブ・ソーントン、ポール・ジアマッティといった実力派の存在感は抜群、最近売り出し中のジェームズ・バッジ・デールの好演も記憶に残ります。あ、あとジャッキー・ウィーバーが演じたオズワルト母のウザさは殊勲ものです。

やはり元ジャーナリストの監督というだけあってか、目に飛び込んでくる各シーンの強さが際立っていて、生半可ではない思いを感じます。特に人物の感情表現がよく撮れていて、内容は勿論、役者の演技も充分に楽しめました。これだけしっかりした作りであれば、事件の概要を知らずに観ても問題無いでしょう。今後注目したい監督、次回作も期待です。
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