JunIwaoka

嗤う分身のJunIwaokaのレビュー・感想・評価

嗤う分身(2013年製作の映画)
3.0
2013.10.19 @ 26th TIFF
(原題:The Double)

冴えないサラリーマンのジェシー・アイゼンバーグくんを、目の前でこんなにもコテンパンにされると、見ているコッチが辛くなるよ。多かれ少なかれこの不条理さは、社会で生きると感じることだからまったくもって笑えない。もしかすると薄暗い社会の中で、望遠鏡越しに望む天使を夢想することだけを生き甲斐にしてしまえば、案外容易なのかも知れないけどね。。そう抑圧、、、そして不誠実な自分が分裂してしまう訳なんですが。。例えばマイケル・ファスベンダーが相手だったら諦めがつくけど、イケイケな自分と対峙するなんて耐えきれないよな。抑圧されていた分、留め金が外れた暴走は自滅へ。結局すがっていたものは天使ではなかったわけだけど、それでも手を伸ばせば届く距離にあったことがよかった。

ストーリーの展開力には見劣りする部分があったけど、ミュージックビデオ出身の監督だけあって、あの不穏な世界観はお見事。ぶかぶかのスーツ姿が様になってしまうジェシー・アイゼンバーグくんと、アンニュイな表情と天使のような笑顔のギャップが神がかっていたミア・ワシコウスカちゃんは最高でした。それにしてもあの髪型、すげー可愛かったなぁ。
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