DVDで鑑賞。映画における殺人のシーンでよく強調されるものはその「残酷さ」や「派手さ」だが、この映画では特に殺さなければならない「理由」の方が強調される。工作員として生きるため、家族を守るために指令に従って殺す。それは劇中で死活問題と表現される。建前上は脱北者という罪人だが、純粋に見れば持たざる者が持てる者から奪って身を立てる略奪経済と同じ。工作員は南に逃れた「持てる者」から命を奪うことで生きながらえることが出来る。映画のテーマとはあまり関係ないけど、そういったシステムを北が意識的に強制していることに驚いた。これを公開できる韓国にも。
こんな映画なのに細かい描写で最高に笑えたし、恋愛絡みのシーンではときめくことが出来るから不思議だ。このニセ家族の生活をもっと見ていたい！
