このレビューはネタバレを含みます
インターステラーに引き続きノーラン作品。
やはり人が感じる死や虚無、無、孤独、空想、妄想など、意識下でありながら無意識である世界の怖さを、
「今は夢の世界、これは現実」と区別しながら没入していた自分にも体感させる作品で、最後は本当にゾワゾワした。
結局はじめから終わりまでずっとコブがつくりだした空想の世界にいたのだ。
きっと、コブがおかしくなって死んだと言った妻のほうが、現実に戻ったのだろう。
空想の世界に取り憑かれ、取り残されたのが自分の方だと気づいていない怖さ。でも、気づいていないことが幸せなこともある。虚無ではなく、幸せな空想の世界と、現実。一体どちらで生きていたいだろう。