着陸不能になった旅客機で繰り広げられるコメディ。
ペドロ・アルモドバルの仰々しくあけすけにゲイゲイしい映画。
オカマ3人のキャラで大部分を補っているものの、コメディ要素は案外薄め。
それにしても「私が、生きる肌」の次がこんなにライトな作品という振れ幅の大きさに驚き。
性に奔放過ぎる登場人物たちが機内でハッスルしまくる絵面と、濃厚な同性愛描写が織りなす空間はノンケからすると笑っていいのか困惑したが、テイストが明るいので気持ち悪さを感じる一歩手前で踏みとどまった。
同性愛を公言しているからといっても、あからさますぎるオカマ3人のキャラは少し引く。
困惑するもう一つの理由に、搭乗している客の背景に社会情勢の影がチラホラ見える所。
処女の占い師、銀行の頭取、著名人お抱えの女王様、そしてヒットマン、それぞれがなんだか記号的にしか見えず、あまりメッセージ性も感じられなかった。
そんな事を考える方が無駄な気もする軽い感じの話でしたが物語の着地は好きです。
冒頭にほんの少しだけカメオ出演で、アントニオ・バンデラスとペネロペ・クルス。
意外とセリフが多かったです。
@テアトル梅田