恥ずかしながら、かなりの本数の映画を観てるのにもかかわらず、まだ一作品も観てなかったグザヴィエドラン。ずっとずっと気になってはいたものの、なんとなく手を出さずにいた。監督も脚本も主演もこなす若き天才。ついでに顔もイケメンだしセンスも良さげだから観たらきっと好きになるだろうという予感はあった。
この作品しか観てないから言いきってしまってよいか悩むところだが、この作品にだけ限って言えば確かに天才だ。凄い才能だと思う。俳優としての表情もピカイチだし、ストーリーの進め方や魅せ方もうまい。
カメラワークがまたよくて背後から、てっぺんからゆっくり動いてゆき、パッと顔を映し出す。物凄く表情が生きる。
一見、田舎の農場の客人として普通にもてなされてるように感じるが、時々見え隠れする暴力に逆らいながらも次第に従ってゆくトム。逆にその危うい関係がやきもきする。その気になれば逃げ出せるのでは？…と。でもトムは逃げようとはしない。次第に徐々に支配され洗脳されてゆくトム。
グザヴィエドランは凄く綺麗な顔をしている。身体の線も細く、とにかく表情が美しい。男だって惚れてもおかしくない。死んだ恋人(男)の兄とのドキドキする場面も多く。ダンスのシーンなんて、まるでたくましい男にリードされる女の子のようだ。
ちなみに先にイケメンと書いたが、自分の好みなわけではない。自分は男らしいワイルドな感じが好みだから。でも綺麗なものには惹かれるし、やはり彼は魅力的だと思う。
