TAK44マグナム

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

5.0
今回で2000本目のレビューとなります。
ひとつの区切りではありますが、一応の目標が3000本ですので、まだ数年は到達できないでしょう。
2000本といっても非常に雑な短評や尺の短い作品まで入り混じってのものですので全精力を傾けたとは言い難く、そのうちのいくつかだけが満足のいった「レビューめいたモノ」に仕上がった感じです。
これからも映画を観て感想を書くことは続けるつもりですが、いかんせん時間もかかる作業ですので最近は頻度も少なく、実のところかなりスランプ気味でもあります。
あまり役に立たない短評が多くなるかもしれませんがご容赦ください(汗)

それにしてもフィルマークスを使い出してからの数年の間に世の中もだいぶ風向きが変わってきました。
自然災害も多く、経済も不安定であり、自分自身の環境も激変しております。
フィルマークスも、古くからのフォロワーさんが活動を停止しているのが分かったり、新しいフォロワーさんが増えたり。
きっと皆さんそれぞれに何か日々の変化があるのでしょうけれど、映画は観てほしい!
無理のない範囲で楽しんで観たいですね。
いま、映画も未曾有の危機に直面しています。微力ながら映画文化の存続に協力してゆきたいですし、映画がマイナスの方向に変化してほしくないので、観たらその感想を何かしら発信するという行為を出来る限り続けていきたい所存であります。

それでは前置きが長くなってしまいましたが、以下は「処刑山ナチゾンビvsソビエトゾンビ」のレビューとなります。
これからもTAK44マグナムを宜しくお願い致しますね〜!



糖尿病のジェレミー・レナーが悪い魔女をバラバラにする「ヘンゼル&グレーテル」や、ノオミ・ラパスが七つ子ちゃんを演じた「セブンシスターズ」を監督した天才トミー・ウィルコラがまたやってくれました!
究極のハーケンクロイツ軍団が帰還!


雪山を地に染める、蘇りしナチゾンビたち!
マーティンは友人や恋人と共にナチスの隠し財産を発見したが、それが原因で一行はナチゾンビに次々と惨殺されてしまう。
呪われたナチゾンビ軍団を率いるヘルツォーク大佐は最後に残ったマーティンを襲うが、逆に右腕が千切れてしまうのであった。
辛くも逃げきったマーティンだったが事故を起こし入院。
ゾンビの存在など知る由もない警察は、マーティンを友人殺害の疑いで拘束する。
腕を失っていたマーティンだったが、医者が間違えてヘルツォーク大佐の腕を移植してしまっていた。
困惑するマーティン。
大佐の腕はマーティンの意思とは関係なく暴れ回り、警官や少年が犠牲になってしまう。恐ろしくなったマーティンは病院を脱走、お尋ね者となってしまう。
しかし転んでもただでは起きないマーティンは、アメリカからやってきたゾンビスクワッド(←ド素人のゾンビオタク)の協力を得て、殺された恋人の仇を討つと誓う。
ゾンビスクワッドのダニエルはヘルツォーク大佐の蛮行を止めるべく、ヘルツォーク大佐と同様の死体蘇生能力を身につけたマーティンに、かつてノルウェーの地で大佐に殺されたソ連軍兵士たちを復活させてナチゾンビ討伐の戦力にしようと思いつくのであった。
かくして世界の命運を賭けた一大合戦が、ノルウェーの片田舎で繰り広げられようとしていた・・・!


「海へ行けばよかった」というキャッチコピーの通り、山へ遊びに行ったばかりにナチスドイツの部隊がそのままゾンビ化した一団に四肢を引っこ抜かれたり、脳みそをぶちまけられたりとユダヤ系の若者たちが酷い目にあった「処刑山デッドスノウ」の直後から始まる全世界待望の続編!
以前から監督のトミー・ウィルコラが続編をやりたいと発言していたのがやっとこさ実現したと思ったら、いつになっても日本へは上陸せず。
日本人が「処刑山」に関心がないとでも思っていたのか?
確かに一億二千万人ぐらいの日本人にとってはボンクラな若者たちが山へ行こうが海へ行こうが知ったこっちゃない事でしょうが、100万人に1人ぐらいは「早く字幕付きでナチゾンビとソビエトゾンビの合戦をみせやがれ!」と憤っているホラーファンもいるのです!
そう、ここに!!
それがようやく理解してもらえたのか、「未体験ゾーンの映画たち」のラインナップに加えられ、ついに本作も正式に日本の土を踏んだのでした!

そんなわけで、スケジュールが合わずに劇場でもオンライン上映でも観れずじまいで悶々としていたところ、やっとこさブルーレイが発売されたのでゲットできましたよ!
勿論、二ヶ月前から予約して準備万端、波紋法の呼吸を会得するがのごとくキチンと背筋を真っ直ぐに座してプレーヤーにディスクをセット、リモコンの再生ボタンをポチりと押しました!
するとどうでしょう!
胸が極限まで高鳴り、心臓は激しくドラミング!思わず飛び出る波紋カッター!
パウパウパウ〜〜ッッッ!!

・・・流石にそれはもちろん誇張しすぎですが、観終わってズバリ!
バリバリに面白れ〜ッッッ!!
大切なことなので、もう一度書きますよ?
バリバリにゲロ面白れ〜〜ッッッ!!!
前作も面白いのも大概にしろよ!っていうぐらい面白かったですけれど、この続編の突き抜けた感は尋常じゃない!!
これは誇張でも何でもなく、事実であります!
前作は破茶滅茶でありながらもゾンビホラーの体裁を崩さず、終わってみれば割とストレートな田舎ホラーでしたが、本作はどちらかと言うとケンカアクションに主眼をおいた田舎を行軍するコンバットもの(苦笑)
勿論、盛大なスプラッターやゴアな大量殺戮ショーも健在。
しかもさらにパワーアップしているのも大きな見どころではあるのですが、ゾンビが小腸をチューブに使って給油したりと、コミカルな面を強く主張、とにかくバカで笑えます。
真面目に考えたら笑えないのは、ホームセンターでハンマーとかを買えたら「狂った国だな」って台詞、それなら「イコライザー」のマッコールがホームセンターで働いているアメリカは1億倍狂ってますがな!

というか作品自体が狂気で成りたっている本作、全編ずっと、やっていることは驚異的におバカ!
でも、登場人物が皆んな真剣にバカをやっているので何故か引き締まる(苦笑)
これも演出だと思いますけれど、怠惰に見えるのは後方でハンマー殴打している、その他大勢のナチゾンビだけ!
メインの登場人物はマーティンはもとより、ゾンビスクワッドの面々も、巻き込まれた博物館職員も、ナチもソ連も、クソの役にも立たない警察以外は皆んな真剣そのものにバカバカしい戦いに身を投じるのです(因みに、ゾンビスクワッドという民間の組織?は実在するんですって!)。
それが感動的に面白い。
コミカルとシリアスの匙加減の絶妙さ。
このノリやテンポを間違えると、一挙につまらなくなるのがこの手の映画なので、やはりトミー・ウィルコラのセンスの賜物だと思います。
ヘルツォーク大佐のアッパーカットで吹っ飛んだマーティンが天井をブチ破ったかと思うと、その向こうの天井をブチ破って階段から転げ落ちるカットなんて度肝を抜かれましたよ!
もはやマンガチックで外連味が暴走していますが、アクションひとつとっても手を抜かない姿勢がグッジョブ!じゃないですか!
こちらが見たいものを見せてくれる感覚が素晴らしいですねぇ!
トミーの手にかかれば朝飯を食べていたらゾンビが乱入してくるし、ゾンビが戦車で砲撃するし、ベンツのエンブレムが手裏剣に早変わりするのです!


全てが解決したあとのラストシーン。
まさかの愛にあふれた美しさも予想外すぎて口が半開きのまま魅入ってしまいましたよ。
従順ゾンビの最高の笑顔もこれまた最高ですし、これはもしかしたら映画史にのこるラストなんじゃないでしょうか。
たんなる錯覚かもしれませんが・・・(汗)
兎にも角にも、前作を100バカとするなら軽く1万バカを超える超バカパワーが爆裂しまくる異次元的面白さに思わず首がスッ飛びそうになってたら画面の向こうでスッ飛んでた!
そんな作品DEATH!
前作が好きな方は迷うことなくマストですし、そうでない方にもビンビンにオススメさせて頂きます!
出来れば前作とセットで、ヘルツォーク大佐の魅力に酔いしれましょう〜!


セル・ブルーレイにて