ハル

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのハルのレビュー・感想・評価

4.1
21歳の誕生日からタイムスリップが可能になる家系。その長男が能力を駆使し、好きな子と結ばれ、人生そのものを豊かにしていくストーリー。

SF系のラブ・ストーリーなんて、一つ間違えれば大失敗しそうなものだけど…本作は構成の巧みさだけではなく、バランス感覚も秀逸だ。
肝は『ラブ・ストーリー』だけに括らず、主人公の人生、家族の人生まで網羅して世界観が綴られていくこと。
そして何よりも、登場人物達の人間性が素晴らしすぎて、たちまちファンになってしまう。

ビル・ナイ演じる父はファンキー、かつチャーミングだし、彼女であり、後の妻になるメアリーは芯のしっかりしたCuteで優しい女性。
みんな、魅力全開。
素敵な人々によって彩られていく、愛おしい世界を見ているだけで心が嬉しくなっていく。

主人公がタイムリープをして、少し出会いの仕方を変えるだけで繋がっていく関係性。
こうしたシーンを見ると、“縁”というのは本当に不思議なものだなぁとしみじみ思う。
今そばにいてくれる仕事仲間や友人、ふと振り返ればそうした小さな積み重ねの繋がりが“形”になっているのだろう。
「私自身、ほとんど誇れるものはないが、彼の父親であることは誇りだ」や「もう、やり直す必要がない幸せな毎日」など名台詞もたくさん。

繰り返しになるが、お父さんのキャラクターだけ切り取っても見る価値がある愛の物語。
最高のラブストーリーであるとともに最高の家族ドラマが共存している傑作に思えた。
人生というものがどれほど尊く大切なものかを悟らせてくれる、幸せの映画でした。

Special Thanks to〜Rucolaさん〜
ハル

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