【2014/3/26:シャンテ】
父親との関係性が希薄なわたしはノれないかな〜と思ったけど実際はむしろ真逆。希薄な関係性が少しずつ層を成し厚みを帯びていく、隙間を埋めるんじゃなくて、隙間だらけだけの「希薄」を不器用に積み上げていく感じ。その末の、ただ車の座席を交代するだけのあのシーンには、筆舌し難い味わいがある。絵面も話も超絶地味だけど大好きです。
変わらず小津感全開だけども、例えばモノクロ映像はオマージュ要素だけでなくお話の設定や普遍的なテーマに寄与しているし、バカ兄弟やアバズレ婆ちゃん、昔の恋人のキャラやギャグの軽妙さ加減がいい感じ。なんとなくな小津感の表層を掬っただけの作品ではないオリジナリティ。
そしてエロ婆ちゃんボケ爺ちゃんもさることながら、デイビッドの「ああ、いい人だよね…でも、独身なのも、なんか解るよね…」って感じを体現した長いモノに巻かれ層な顔が最高だし、ラストの爺ちゃんのドヤ顔も素晴らしい、顔映画。
町山智浩が「日本でやるならビッチ婆ちゃんの役は樹木希林がよい」と言ってたが、確かにそれ最高！
