ユミコ

王妃マリー・アントワネットのユミコのレビュー・感想・評価

-
マリー・アントワネットに興味を持ったのは以前、エマニュエル・ベアール主演の「マリー・アントワネット」を観てから。でもfilmarksには見あたらず、そして観る手段もなく もやもや…
一番最近観たのはソフィア・コッポラが監督の同タイトルで、こちらは苦手だった。マリー役のキルスティン・ダンスト。何故に彼女が選ばれたのか理解し難い。マリーに中々子供が出来ず苦悩するという部分がメインぽくなってる印象、あとはドレスやスイーツ超cuteがウリっぽいだけで深みがない。まずダンストでは華がない。いえ元々なくたって、演じる事でそれを表現できる力量があれば問題ないけど、それも無理だったようで。(ベアールにしても、マリーらしい毅然とした振舞いや芯の強さ的部分が今一つ… ではあったけど。)
そして今回のこの作品ではカリーヌ・ヴァナッスが演じる。ジャケ写真を見た感じ、朗らかで優しいママみたいな雰囲気、ホントにマリー役を演じきれるのかなあ‥‥ ところが冒頭の、どアップのカリーヌの憂い顔を見た瞬間、引き込まれてしまった。ココでもう、彼女ならいけるのではないかって期待。
本作の内容は、マリーがフランスに嫁ぐ 〜 処刑の前日までで、ナレーション主体でストーリーが進行。獄中のマリーから始まり、回想シーン、そしてまた獄中で終わる。入門としても適しており、わかりやすく、重要な部分は全て語られていた。
マリーが高貴で華やかだった時代から少しずつ追いつめられていくにつれ、彼女の表情に変化、笑顔も消え、険しい顔になっていく。輝くような笑顔だった筈が、いつしか常に何かをジッと見据える強い視線の彼女に……。

今までのどのマリーより相応しいカリーヌ。「眼力」とか「目力」というより、ただ一つの、マリーにしか見えない知り得ない場所だけをひたすら凝視する、もはや女とも男ともつかないようなあの意志の強い瞳がマリーそのもの過ぎて。今までのどのマリーより。
ユミコ

ユミコ