ひろゆき

さいはてにて やさしい香りと待ちながらのひろゆきのレビュー・感想・評価

2.3
銀幕短評 (#243)

「さいはてにて -やさしい香りと待ちながら-」
2015年、日本。 1時間 58分。

総合評価 ?点。 強いていうと、46点。

最果て、とは、石川県能登半島の突端にある珠洲を意味する。やさしい香り、とは、もちろんコーヒーのよい香りである。主演は永作博美。


映画の冒とく、について
ほんとうをいうと、わたしには この映画を語る資格はない。なぜなら あまりにつまらないので途中から早送りしながら観たからである。わたしが映画を冒とくすることもあれば、映画がわたしを蹂躙(じゅうりん)することも ままある。このように 世の中お互いさまである。


コーヒーについて
どうして早送りまでしてこの映画を最後まで観たかというと、本作がコーヒーについて 割合に詳しく描写していると耳にしたからである。「YUKIGUNI」(#227、86点)で、わがカクテル愛の一端を語ったが、今回はコーヒー愛の片鱗を語ろう。

作中、幼いきょうだいが登場し、姉は主人公の淹(い)れたコーヒーを好きだといい、弟は思わず顔をしかめる。また助演の佐々木希は、これがコーヒー?とおいしさに驚く。

酒が酒でおいしいように、コーヒーも同様においしいものはおいしい。まず産国産地のちがい、樹種品種の違い、栽培高度の違い、加工(果肉除去)方法のちがい、焙煎のちがい、豆の挽き目のちがい、抽出方法、湯温、落とし方のちがい、これらすべてをクリアすると、佐々木希がびっくりしたようなコーヒーができあがる。

この映画は、これらのうち、かなりいい線を突いてくる。まず焙煎機。小さなちいさな店構えなのに、フジローヤル 5Kg(たぶん5)のピカピカの新品を据える。テストスプーンでヤキ加減をみる。ハンドドリップで、ほどよい炭酸の泡がうまく膨らむ。グラスを 2列に並べてカッピングする。ストレート豆を 6種、ブレンドを 3種そろえる。コーヒーミルも富士珈機。ハンドドリッパーまでは、、さすがに見えないなあ。

しかし、
テストスプーンでのテストで豆のヤキ加減をしっかり見ていない、ハンドピッキングでの欠点豆が多すぎる、異物として 大きな石がたくさん混じっている、カッピングの味見の時間があまりにも短い。というところを除くと、おいしいコーヒーが飲めそうだ。

まあこういう演出を世間ではデフォルメ(誇張や単純化)と呼ぶのですが。もうすこし詳しいコーヒー映画があれば、また早回しで観るとしよう。もうすこし語れるから。


宮沢賢治の短編「よだかの星」は、子どものときに読んだことを思い出しました。いいはなしですね。


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「a film about coffee」100点の感想文に、わたしのコーヒー 愛を書きましたよ。
ひろゆき

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