特殊な状況のもとでだけのつもりが、そうではなかったと確信した結果、ラストへと。
時代が変わったとしても、互いに響き合ってしまったマットとルチア。
時折見せるランプリングの瞳が挑発的でとても美しい。シワが刻まれたボガートとのやりとりがまた、素敵。
根底の背景にあるのはナチのその後。糾弾されないようにひっそりと生き、邪魔者は消すようにしている。
現実、オーストリアはナチへ傾倒した人が多かったと言います。あながち嘘ではない舞台設定。
愛なのか、欲なのか。
呆気ないラストが違った余韻を残す。
ザラッとした空気を感じますが、その中に二人にしかわからない世界の香りがするようです。