梅雨が明けて暑い日が続きますね。
世の学生さんたちはこれから長い夏休みを満喫されるということで、
この時期になると無性に観たくなるホウ・シャオシェン監督の傑作夏休み映画を。
エドワード・ヤンと共に台湾ニューシネマの旗手として世界にその名を知らしめ、特にホウ・シャオシェンの80年代の作品はとにかく粒揃い。
個人的にはヤン氏よりもシャオシェン氏の作風の方が好みで、
ヤンが虚無と破滅を好む小難しいゴダールならば、シャオシェンは童心と淡い恋を好むトリュフォーってイメージがあります。
台北の小学校を卒業して中学入学を控えるトントンとその妹ティンティンが、祖父母の家でひと夏を過ごすジュブナイル映画。
台湾の長閑な田舎の風景は、日本の昭和のそれとまったく変わらない懐かしさがあります。
入院中の母親、田舎でゆるい生活を送る子どもたち、祀られた大樹と社、傘を持った知恵おくれの女ハンズ等、多くのプロットは「となりのトトロ」へも多大な影響を与えています。
ティンティンとハンズの絆、そして失う命と救う命を司るかのようなハンズの不思議な演出が大好き。
電車に乗り遅れたり、痔で絶叫したり、なにかと頼りない叔父さんも最高。
この夏の終わりは、トントンにとって二度と戻らない少年期との惜別でもあるのです。
しかし幼少期のノスタルジーって本当にいいもんですよね。
岩井俊二「打ち上げ花火~」も来月アニメ版でリメイクされるし、そっちも久々に観たい。