結局いちばん怖いのは幽霊でも怪物でも宇宙人でもなく、人間。
こういう人間の恐ろしさを描いた映画は大好き。リアルに怖い。
この「パージ」は単に怖いだけじゃなく、現代社会への痛烈な批判というか、ブラックユーモアというか…突っ込みどころやありがち展開も満載なんだけど、友達とワイワイ言いながら観たので楽しかった (^ ^)
まず、このパージというシステムの効果が疑問。一年に一晩だけ、殺人を含む犯罪が合法化される。それによって犯罪が激減したというのですが、それはあり得ないと思う。そもそもシステムがあろうと無かろうと犯罪を犯す人がいるわけだし、そうでない人でも、パージの夜に暴力行為や殺人によって自己を解放する解放感を味わったり、人を殺すという一線を越える経験をしてしまったら、一年間我慢できるわけがない。「一晩だけ」なんて、そんな上手く切り替えできる??
それに、人は法だけに縛られて生きているわけじゃない。善悪とか、良心とか、モラルとか、自分の物差しとか、色々なものによって自分を律している。
例え合法的であったとしてもわたしは別に人を殺したいとは思わないし、そういう人は少なくないと思う(思いたい)。
パージの日に何の罪悪感も躊躇も無く人を殺すような人達は、普段からろくな奴じゃないと思う。そういう一部のヤバい奴らが合法的に暴れまくる機会をわざわざ法律で作ってやるなんてナンセンス。
富裕層は海外に逃げたらどう?とか、ホームレス強すぎ!とか、人を助けるために結局は人を殺しまくってる!とか、穴だらけではあるけど、設定は非常におもしろいと思います。
いくらでも深くできる話を、あっさり仕上げてしまったのがなんとも残念でした。