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グロリアの青春の&yのレビュー・感想・評価

グロリアの青春(2013年製作の映画)
3.5
【2014/3/26:HTC渋谷】
物足りなさはあれど良作。
猫や孔雀のメタファーや、グロリアが心を許す女友達の不在、子どもとの関係性、常に寄り添う音楽。それらによって彼女の人生や人となりの輪郭をビビッドにしてるので軸がブレない。感情移入も共感もしにくい話だけど、「老いにも若さにも過剰に執着しない」っていうすごく難しいことを自然にやってのけてるグロリアが、ちょっと羨ましかったりはした。
相手の男の行動が非難されるのもまあ解るんだけど、断てない関係性ってやっぱりあって、過去に家族だった人たちに優しさを向けるのは、人としては極めて真っ当なことじゃないかな。少なくとも、他者との繋がり方は人それぞれなのだから一概に非難するようなことじゃないと思うし。
しかし、グロリア目線で見たらそんなもんふざけんなよバカにしやがってって話で。グロリアの年齢とチリの情勢を鑑みると、彼女は青春を謳歌し得なかった世代なのでしょう。そんな彼女が、どんなに罵倒されようと、わざわざドレスアップして感情や思いや寄る辺無さを文字通り「ぶっぱなし」に行く展開は、全編を貫く巧みな音楽づかいと相まってアガりました。
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