ニクガタナ

フォックスキャッチャーのニクガタナのレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
3.5
96年に起きた殺人事件を基にしたリアルサイコサスペンス。ベネット・ミラー監督の前作「マネーボール」が面白かったのでちょっと期待したくらいで、事件概要含め何の前情報も入れずに観たら、孤独な金持ちが強さに対する思慕と憧憬極まって引き起こす予想外の展開にビックリ。金持ちの考えることは分からん。ソウルオリンピックに向けたレスリングチーム「フォックスキャッチャー」を設立し、金の力でロス五輪の金メダリスト兄弟を招聘「金出してんだからタラタラやってんじゃねー!あと、俺様バカにすんじゃねー‼︎」って憤りがエスカレートした、大富豪ジョン・デュポンの狂気の沙汰。演じたスティーヴ・カレルの静かに狂っていく感じが超怖い。少年時代の友達を母が金で雇ってたのが彼のトラウマになってて大変切ない。自身の功績まとめたVに引く。練習場での発砲が狂気発動の号令のよう。空気感が終始冷たく、ドキュメンタリーみたいにリアリティある撮り方が効いている。ゲイ展開になるのかと思ったらならず。チャニング・テイタムとマーク・ラファロのレスラーぶりがさまになってた。
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