OASIS

イーダのOASISのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
3.5
ポーランドの孤児院で育てられた孤児の少女が、自らの出生のひみつを知らされそのルーツを知るため叔母と共に旅に出るロードムービー。

モノクロスタンダードサイズの作品。
ヒロインの宝石のような黒い瞳がとても美しくて、こちらを見つめてくる度に見入ってしまいクラクラと来た。束ねた赤毛を振りほどくシーンや赤いドレスを見に纏う姿は正に至高。
宮崎あおい似の幼い顔立ちにも関わらず、ベールの下に隠された妙に艶かしい肢体が、成長途中の少女の危うい色気やエロスを感じさせる。

彼女と一緒に旅立つ叔母の貞操観念が緩くて豪快なキャラクターが、処女性の塊のようなアンナとの凸凹コンビ感を演出していて面白い。
それだけに、叔母の結末には唖然としてしまった。

サックス奏者とのロマンスやバンド演奏が映像の静謐さの中にアクセントを与えているし、孤独で寂しい筈の叔母の最期の瞬間でさえ壮大に見えるほど、劇中で流される音楽の力が大きい。

サックス奏者の彼と結ばれた後でも、叔母とは異なる道を選んで乾いた道歩いていく姿は凛々しく、その瞳には一人の女性としてはっきりと力と意思を宿しているかの様に見えた。

@テアトル梅田
OASIS

OASIS