スカパーにて。ATGでの新藤兼人監督作。
永井荷風の自伝的小説を映画化するにあたり、永井荷風そのものを主役に変更した意欲作。
永井荷風を津川雅彦が演じてるのだが、ぶっちゃけ見てくれは似てないなぁ(笑)まぁそこはご愛嬌か。
戦前の赤線地帯であった玉の井が舞台。セットも少ないなりに凄い上手く作ってる。もちろん僕が知る訳もないのだが、それでもリアリティを感じさせるんだよね。
永井荷風が若い娼婦お雪と愛し合う月日。戦争の激化と別れを描かれる。
ぶっちゃけ序盤は割と退屈。
肝心のお雪が中盤まで出てこないからね。だからこそお雪登場からは俄然面白くなる。
このお雪がまたいい女なんだわ。娼婦だけど悲壮感がまるで無い。カラッとして嫌味が一切ない。
だいぶ年上の永井荷風もメロメロになる。そりゃ惚れますわ。
このお雪を演じるのが墨田ユキ。元AVとかいう肩書を一掃する公演。さらに娼館の女将に乙羽信子も出てるのだが、これまた彼女のイメージに無い役を好演!
娼婦と叔父様との淡い恋愛劇。戦中の殺伐とした時代にそぐわぬセンチメンタリズムとエロティシズム。