このレビューはネタバレを含みます
史実としての出来事やその実話らしさを担保にしてるこの手の作品に、どこかで空々しさを感じてしまうのは、多くの場合、その再現性の問題というより、公平性の問題であると思う。距離感といってもいい。
差別を逃れ得ないゲイのカップルと、育児放棄されたダウン症の少年が、愛によって家族となることが揺るぎない絶対正義であると結論づけるのは、容易だけどフェアーじゃない。
とりわけ結末のくだり、死亡記事の切り抜きを各人に送り付けて鼻を明かしてやったかのような茶番には唖然とした。
そんなところに自己の正当性を担保して一体なにになるんだ。。。
映画は私小説でもなければ法廷でもない。内的外的に議論の余地がないのだから、最低限の誠実さは求められて然るべきなのだ。
あらゆる点で弱い作品だと感じた。