しょう

名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)のしょうのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

約7年ぶり2回目の鑑賞。
1回目はちょっとコナンから離れていた時期だったこともあり、「了解」以外、けっこう忘れていたが、その分楽しむことができた。

最初の2時間は、最後の「了解」のための前説といった批評もされる本作品だが(そして自分もそんなふうに思っていたが)、本編もそれだけで十分面白かった。

特筆すべきなのは、『異次元の狙撃手』というタイトルが、作品の核を捉えたものになっているところである。
犯人が突きつるたメッセージを解く鍵である物理的な次元とレベルが違うという意味での次元が、非常に上手く組み合わさっている。

前者については、謎解き(解読)という面から見ても、コナンと一緒に追っていけるようになっており、「2次元ではなく3次元」と気づいた(気づかされた)ときには、思わず声が出そうになった。解いて分かるメッセージか警察や世間への挑発や挑戦ではなく、憎悪を向けた対象へ突きつけるものになっているのもいい。
ちなみに、本作品は、このメッセージの解読に限らず、フーダニットについても、丁寧に分かりやすく追っており、登場人物の名前と関係性さえ頭の中で整理できていたら、推理の追体験ができる点も嬉しい。

後者の意味での「異次元」は、最初、今回の犯人の凄さを形容しているようであるが、最終的には赤井さんがハンターやケビン吉野と比べて次元の違う存在であることを指していることが分かる。
また、これは個人的な解釈だが、ケビン吉野が脱出のために、無関係の歩美ちゃんを人質に取ったところから、ハンターとケビン吉野の間にも超えられない次元が存在していたことを示唆しているようにも思える。事件の動機が動機だけに、ハンターやケビン吉野には同情を禁じえないが、最後の最後でケビン吉野は超えてはいけない次元に行ってしまったのではないだろうか。

本筋からズレたところだと、沖矢さんの立ち振る舞いや世良のナイスアシスト、FBI組の参戦、も楽しいところである。
そういえば、今後の劇場版で活躍しまくる花火ボールが誕生した記念すべき回でもある。見た目も派手なので、映画に重宝されるのが頷ける。

「了解」とそこからの完璧な『ラブサーチライト』の入り見たさ(聞きたさ)に、今回は見たが、本編も最後までしっかり楽しめた1作だった。
しょう

しょう