ハター

2つ目の窓のハターのレビュー・感想・評価

2つ目の窓(2014年製作の映画)
4.2
神が宿ると言われる島で語られる命の尊さと恋、そして生きるという事。ドキュメンタリーのようなカメラワークから生まれる躍動感。同じシーンの中で演技派俳優と違和感なく溶け込む島民の人達、新鮮でした。リアリティを強く感じ、まるで現実を見てるかのように錯覚します。

冒頭演出、この掴みぐっときました。ここで期待度メーターが昇竜の如く一気にぎゅーんっと上がりました。私はそんな感想ですが、スクリーンから目を背けた人も少なからずいる事でしょう。しかしこの奄美という舞台を最大限に活かしての演出は台詞が少なくとも確と伝わります。ひとつひとつの画に込められた熱がひしひしと。
あと、キャストです。いやあ一般の方々、大活躍ですね。エキストラではなくしっかり出演者として作品を盛り上げています。特に恰幅の良いじいちゃんが三線を取って島唄をうたうシーン。ここ凄いなあ。こみ上げるものがあった。勿論、俳優陣も申し分ない。吉永淳という女優を初めて見ましたが、ま~素晴らしい。シーンの雰囲気を作るこの女優の存在感に度々持っていかれました。

120分の長さも集中は途切れず。言うならエンドロールは島唄が欲しかったなあと、個人的な意見も少しだけ。女性視点というわけではないが、男性には撮れない映画だろうと思ったのも感想のひとつ。河瀬直美監督、知識が豊富で鋭く広い視野を持っている人なんでしょう。
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