界人(村上虹郎さん)が生きているものをおぞましいと感じる気持ちわかるなあ。
自分にとって映画は一種の逃避であって、世界は生きているという事実に時々身震いする。
だから作為的なキューブリックの映画を観て衝撃を受けて、映画そのものにハマっていった。
界人は「海は生きている」から恐怖し、母や好きな子の女(性)の部分を嫌悪し、ヤギを屠殺することに顔を顰める。
潔癖や純粋といえば聞こえはいいが、要は逃げているんだ。
死んでいるものには一方的に理解した気になればいい。
だが生きているものにはそうはいかない。
その事実に恐怖し顔を覆ってしまう。
でもきっと、生きているもの(自然)に対して理解しようとすること自体が傲慢なのだろう。
奄美大島という舞台に包み込まれて、自然を受容するお話。
そして自然に対して謙虚になるお話。
自分も奄美大島にいたら逃げないでいられたのかなあ。うーん、自信ない。