千年女優

ハーフネルソンの千年女優のレビュー・感想・評価

ハーフネルソン(2006年製作の映画)
3.5
ブルックリンの中学校で歴史を教える男性教師で、型にはまらない授業が生徒から支持される一方でプライベートでは深刻なコカイン依存に苛まれるダン。堪えきれず学校でコカインを吸引しているところを女生徒ドレイに目撃された彼が、告げ口もせずゲットー育ちでドラッグが身近にある生活を送る彼女と育む交友を描いたドラマ映画です。

男女のデュオで活動するアンナ・ボーデンとライアン・フレックがかつて手掛けた短編映画を膨らませた2006年公開の作品で、各々に問題を抱える教師と生徒の交友の物語が多くの人の心を掴んで主演のライアン・ゴズリングをオスカーノミニーへと引き上げると共に、後に大作『キャプテン・マーベル』を任される彼らの出世作となりました。

予算70万ドルの低予算映画ながらもゴズリングやシャリーカ・エップス、後の「キャプテン・アメリカ」アンソニー・マッキーの演技が登場人物に与える実在感で物語を演出します。そのコンセプト通り決して分かりやすい大団円の再生物語とはいきませんが、人生の中にある他人との交錯がもたらす僅かでも確かなぬくもりを捉えた一作です。
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