Yukiko

未来を花束にしてのYukikoのレビュー・感想・評価

未来を花束にして(2015年製作の映画)
4.5
2018年12月26日
『未来を花束にして』  2015年製作
監督、サラ・ガーヴロン。

1912年、ロンドン。
モード・ワッツ(キャリー・マリガン)は、夫サニーと
共に洗濯工場に勤めていた。
劣悪で低賃金の職場だ。
二人には息子ジョージがいる。
その時代、女性参政権を求めて活動する婦人社会政治連合
(WSPU)という活動家達が過激な行動をしていた。
その場にモードは遭遇し、イーディスと出会う。
政府による女性参政権運動への取り締まりが厳しくなるが、
モードは次第にその活動へ傾倒していき、やがて投獄され、
家を追い出され、夫と離婚をし、息子とも別れることとなる。


女性参政権を求める活動家で過激な活動を展開している女性
をサフラジェットと言い、この映画の原題も『Suffragette』
という。
その活動を先導しているのが、エメリン・パンクハースト
という人で、この映画ではメリル・ストリープが演じている。

ラストに、エミリー・デイヴィソンが国王陛下の馬と衝突を
する場面があるが、これは本当にあった事件で、その後、
デイヴィソンの葬儀が盛大に執り行われた写真がある。
映画の葬儀の場面は当時のものだろうか??

こうまで過激にやらないと法律は、男性社会は変えられな
かったのかと思うと情けなくなる。
穏便に訴えても駄目だったのだろうか。

モードが変えたかったのは、婦人参政権だけではなかった
のよね。
男性に虐げられている現状や、劣悪な環境に甘んじなけれ
ばならない現状、性暴力やそれらに疑問すら持たない人々
を、自分が活動することで変わっていくに違いないと感じ
るものがあったからこそ、頑張れた。

イギリスの歴史をまた一つ知った。

日本の女性参政権は1924年に市川房枝さん達が
婦人参政権獲得期成同盟(婦選獲得同盟)を結成して
運動を開始した。
婦人参政権は第二次大戦後の1945年12月の
改正選挙法で実現。
イタリアも同じ年。
1893年にニュージーランドが最初に婦人参政権を
実現してから50年以上後!!
Yukiko

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