OASIS

ファイ 悪魔に育てられた少年のOASISのレビュー・感想・評価

4.0
幼い頃から犯罪者集団に育てられた青年ファイが、出生の秘密を知ってしまった事から父親達との関係が変化していくという話。

濃いキャラクター達、泥臭く激しいバイオレンスアクション、カーチェイス、間の抜けた笑い、そして救いの無い展開等「これぞ韓国映画の醍醐味」と言える要素がてんこ盛りで、それはもう濃厚な作品でした。
もうしばらくは韓国映画観なくていいかと思う程お腹いっぱいな感じです。

悪魔のように冷酷な目で見つめるキム・ユンソクを始めとする顔面力高めのお父さん5人のキャラクターが立ちに立ちまくっていて、それに立ち向かうファイを演じたヨ・ジングもまた好演。
父親から様々な殺人スキルを教わるが自分の中にいる怪物と向き合えずに苦悩する様子、そして怪物を受け入れる事で自ら父の存在を超えていく葛藤が見事。
「子は親の背を見て育つ」という言葉通り、父達の背中を見続けた青年が一転してその父から譲り受けた殺人術で反撃に出る。
こんな燃える展開がありますか!

そしてその先に待つ血みどろの親子愛と、最後に流す最も冷酷だったはずの父の涙。
このキム・ユンソクの演じ分けがもう鳥肌レベルで凄かった・・・。
ラストまで悪役に傾きっ放しなのも良かったと思います。

怪物のCGが意外とチープだったり、キム・ユンソクや警察の方がしぶと過ぎだったり色々と言いたい事もありますが、そこは目を瞑ります。
エンドロールの絵も良かったが、その後に「あれ?結局あの人どうなったの?」という疑問をさらっと解決してくれたので好印象。
勢いもある。うん、面白かった。

@シネマート心斎橋
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