Yukiko

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニストのYukikoのレビュー・感想・評価

4.3
2017年12月28日
『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』
2013年 ドイツ・イタリア制作
監督、バーナード・ローズ。

19世紀前半に活躍したヴァイオリニストのニコロ・パガニーニ
の伝記映画。ヴァイオリンの超絶技巧奏者として名高い。

1782年~1840年、イタリア生まれ。
5歳の頃からヴァイオリンを始め、13歳の頃から自分の作曲に
よる超絶技巧の演奏をし出す。
少年時代から病弱。
1820年頃から慢性の咳。体調不良。
1823年に梅毒と診断。水銀療法とアヘンの投与。
1828年頃、結核と診断。塩化水銀(甘汞)と下剤を飲む。
その後、水銀中毒が進行。演奏が不可。
1834年、引退。52歳。
1840年、上気管支炎、ネフローゼ症候群、慢性腎不全、
     水銀中毒(歯肉炎、振戦、視野狭窄)により死去。
     58歳没。
結核と噂をされ、埋葬を拒否される。
遺体は防腐処理を施されて各地を転々。
1876年、イタリアのパルマの共同墓地に安置。

パガニーニ(デイヴィッド・ギャレット)の演奏を聴いた
ウルバーニ(ジャレッド・ハリス)が、パガニーニを
支えるマネージャーとして君臨。
次第に名声を勝ち取り、演奏代も高額となる。
イギリスでの演奏を依頼したイギリスの指揮者
ジョン・ワトソン(クリスチャン・マッケイ)は家財道具を
売り払ってまで、高額の演奏代を支払ってパガニーニを
イギリスに呼び、演奏をお願いする。
自宅に泊めて、パガニーニの演奏で娘のシャーロットが
歌うのを演奏会でも披露する。
パガニーニはこのシャーロットを愛する。


良かったですよぉ~~(^^♪
その時代のイギリスの街中でそこここに屯する売春婦達。
対照的に「男の慰み者になるな」というデモ活動を行う
女性達は、パガニーニの女性交遊を反対する。
そのような運動が実際にあったのかな。

このパガニーニはイタリア人で、イタリアの男性と
いうと「いつでもどこでも手当たり次第に女性を口説く」
イメージがありますが、パガニーニはお国柄、正真正銘の
イタリア男性とも言える。

それに反して、シャーロットのキリッとした清純さ、清潔さ、
純潔さ。
それまで接触した女性には無かったものをパガニーニは
シャーロットに見出したのでしょうか。

ウルバーニ役のイギリスの俳優さんがワサビのような、
ピリッと引き締まる名演でした。

映画の中で蒸気吸入の場面が何度かありますが、あれが
水銀療法を蒸気で吸っている場面なのかな。
その昔、水銀は永遠の命や美容などで効果があると妄信されて
いたらしい。
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