せぐうぇいX号

ゴーン・ガールのせぐうぇいX号のレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
3.8
結婚という名の誓約、いや"制約"について考えさせられる1本。

キーワードになるのは「役割を演じる」ということ。
幼い頃からアメイジング・エイミーという実母の創作物と現実の自分のギャップに辟易しながらもそれを演じ続けてきた彼女は、完璧な夫を演じるどころか自分を裏切るようになったニックに対し、壮大な計画をもって彼の全てを掌握しようと目論む。

チンピラ2人組にしてやられるハプニングを除き、複数のエンディングを完璧に準備して構えていたエイミー。ニックのもとに戻ることを決意したのもおそらくは、事件中最後のテレビインタビューで理想の夫を演じることを決意したニックの姿を視認したことがきっかけと見られる。
結局は、理想の夫婦になることが至高なのではなく、理想の夫婦を演じきれることこそがエイミーにとっての至高と言えるのだろう。


あなたは健やかなる時も病める時も、完璧な夫を一生涯演じ続けることを誓いますか…?