せぐうぇいX号

プラットフォームのせぐうぇいX号のレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.7
史上最悪の"縦社会"をぶっ壊すために命を懸けて動き出す主人公。多くの犠牲を乗り越えて彼が最下層で見たものとは…


スペイン産ワンシチュエーションスリラー。やや消化不良気味な終わり方ではあるものの、かなり見応えがありました。
中国はこれから「共同富裕」を目指していくそうですが、本作の世界観でそれは絶対に不可能でしょう。
イメージとしては、部活で先輩から1年間酷いシゴキを受けてきて、自分が上級生になったらその立場を放棄して楽しい部活を作れるか?の最強バージョン。食欲を握られた人間が負の連鎖を断ち切れるかという試練。


この作品、ほぼすべての言動やアイテムにキリスト教聖書の裏付けがあります。(調べたら全部出てきます)
私は特に、救世主たる女の子を最下層から第0層(=エデンの園)へ飛ばすシーンに痺れました。この施設で行われたすべての罪を一身に背負い民の幸福を祈るキリストの如し。
しかし、彼がこの施設に持ち込み体内に取り込んだ本は紛れもなく『ドン・キホーテ』。そんな女の子など存在せず、すべて彼の現実逃避のための夢想という解釈も…。



ps.「クソは下向きにしかできない」
言い得て妙とはこのことで。