スプリングス

天才スピヴェットのスプリングスのネタバレレビュー・内容・結末

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

〈/見えない心の傷にどう向き合うか/〉

高校の視聴覚委員の仕事として
【みんなに観てほしい映画を選んでくれ】
と言われたときに、この映画を選んだ。
一回しか鑑賞していなかったのだが、芸術的なシーンが多く、何よりストーリーが好きで《ぜひクラスのみんなにも観てもらいたい》と思ったのだ。

昼休みの後、みんなでスタジオに集まり、鑑賞。全員が真剣に観てくれていて感動した。

だから鑑賞後、先生が『もしかしたらスピヴェットは意図的に弟を殺したのかもね』と自論を展開しだした時は本当に腹が立った。
スピヴェットの視点で話が展開されているため、彼に都合の良い過去に書き換えられており、我々観客を騙しているのだと先生は主張した。
確かにその解釈もあるだろう。あるのだろうが、そんな映画であってほしくない、と僕は心のなかで叫んだ...。なぜならこれは【過去の過ちに向き合い、受け入れる】ことを主題とした映画だからだ。

それが伝わらなかったことが悔しかったし、悲しかった。大人からの目線と大人になりきれていない僕らの目線との壁が、そこにあるような気がした。

【最後に】
鑑賞会の後、何人かに『面白かったよ』と言ってもらえて『あぁ、やっぱり観てもらえてよかった』と温かくなりました。