OkadaMasakimi

アントマンのOkadaMasakimiのレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
4.2
去年のガーディアンズオブギャラクシーに引き続き、とても完成度の高いMCU1作目作品。アベンジャーズ作品を観てない人にも勧めやすいし、観て損のない娯楽映画としても最高だ。

そのガーディアンズオブギャラクシーが、ちょっとふざけた映画と見せかけて意外と真面目にSF王道作品していたのに対し、こっちは完全に終始ふざけ倒した映画になった。
とはいえアクション:コメディ比率がだいぶコメディ寄りになっただけで、アクションシーンも見応えのある作りになっている。「大きさを自由に変えられる」能力自体、とてもポピュラーな題材なので観る側も想像力がフルに働くし、映像で観る以上に素直に楽しめる。もちろん3Dとの相性もいい。

そしてコメディ要素。誇張でなく10分に1回は笑い声が起きていた印象。ここまで劇場で笑いが起きるヒーロー映画はなかなかないだろう、アメリカナイズなユーモアセンス多数。
ベタなものも多いが、それゆえに先が想像できて「ああやっぱりね笑」みたいな感じで楽しめる。というか先が見えてても笑わせてくる。1秒後には再就職失敗とか、敵の親玉をピンポン玉扱いとかその上誘蛾灯に貼り付くとか、こんなの見せられたら笑っちゃう。トーマスなんか出てくるシーン全部面白いからズルい。

また、こういうヒーロー誕生譚はどうしても序盤が退屈になりがちで、やはりそういう意見が見られるが、この作品はそこに笑い要素を持ってきたり、主人公のプロフィールをグッとまとめることで中だるみをなくしているように思う。必要以上にウダウダした冗長なシーンがないのは好印象。
ヒーローになる前...コソ泥テクニックを駆使して空き巣するシーンもわくわくさせる作りで観ていて楽しかったし、最初単なるお笑い担当だったワル仲間が、後半またお笑い担当としていい味出しているあたり無駄がない。仲間ではないが、仮にもアベンジャーズであるファルコンまで完全にネタキャラとして扱えるのはマーベルならでは。

唯一虫嫌いにはキツそうな映画かもしれないが、まったく気色悪くなくむしろ可愛げのある感じでアリを表現してると思う。行動に健気さを感じさせるからだろうか。とにかく、そんな虫嫌いの人にも勧めたくなるような、万人が楽しめる作品だ。
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